2013年06月13日

ルパン三世 GREEN vs RED

ルパン三世 GREEN vs RED
日本人ってカレー、好きですよね?好きですよね!
朝、出掛けに母親や奥さんに
「晩ご飯、カレーだから。」
と、云われたらその日一日カレーで頭いっぱいになりますよね。
そのカレーって慣れ親しんでるけどマンネリで、
食べるとホッとするような安心できるカレーじゃないですか?
やっぱり、身近な味のカレーが一番です。
例えば高級食材を使用した高価なカレー。
例えば本場のスパイスを使用した本格的なカレー。
うどん屋のカレーとかファーストフードのカレー、
コンビニや弁当屋、スーパーの出来合いのカレーetc。
それぞれ、好きずきがあると思います。
10人居れば10通りのカレ-があってしかるべきです。
でも、最後に帰り着くのは身近な味のカレーじゃないでしょうか。
慣れ親しんだカレーが一番じゃないでしょうか。

いきなりカレーの話で恐縮です。
今回の話は長くなります。
何卒ご了承下さい(*´ー`)

で、何が言いたいのかと云うと、
カレーをルパンに置き換えてみて下さい。
何となくわかってきたデショ?

今回はルパン三世生誕40周年記念作品の
『ルパン三世 GREEN vs RED』のレビューです。
(まぁ、今更ですがご了承くださいませ。)

今時の世間の人たちで、
「ルパン三世」
を知らない人ってそうそう居ないと思うんですよ。
だけど、知ってるルパン、好きなルパンは千差万別。
1stだったり、2ndだったり。
或いはカリオストロとか。
これだけ永い間やってるんですから、
世代別に支持されてるルパンもある筈です。
上着が緑とか赤とかピンクとか。
些細な事柄なんですがそれを重要視するファンも居ます。
それはそれで正しいルパンの愛し方なんですよ。


この作中、様々なルパンが登場します。
それらのルパンは『記号としてのルパン』です。
赤や緑のジャケットを着て、
ベンツSSKやフィアットに乗って。
モンキー・カットでもみあげ長め。
一流の酒と女と煙草を愛する。
そんなキャラクターがルパンなのです。
劇中カリオストロルパンが言います。
「世間的にはオレが一番じゃない?」と。
なるほど。
認識されてるルパン作品では
カリオストロの城は傑作と云われてますし、
自分もそれを否定しません。
(只、カリオストロルパンは
「お前なんか結局、何にも盗んでねぇじゃん。」
と批判されてますが(´Д`;))

それだけに今作品には期待したんですが...。
二重の意味で裏切られました。
自分の期待まで作品レベルが上回らなかったのと、
ブログ等で言われてる程は難解ではなかったのと。
どこまで行ってもルパンはルパン。
時代が変わってもルパンはルパンなのだと。
では、ルパン三世とは何者なのか?

「ルパンは自由人」と言われてます。
国籍不明、年齢不詳、と。
それはルパン三世が生きてる世界での約束事です。
世界中何処にでも神出鬼没。
クラリスに“おじさま”と呼ばれてもさほどの年齢に非ず。
何物にも捕らわれない人物。
何物にも侵されない人物。
それがルパン三世。

だが、果たして本当でしょうか?
国籍不明、年齢不詳なんてプロフィール、
誰が信じるのでしょう?
警視庁やICPOも本気でそんな情報をファイルするのでしょうか?
答えは否、です。
誰しもそんな絵空事を信用しません。
「アルセーヌ・ルパンの孫」
と言う事すら信用されてないかもです。
(実際、カリオストロ公爵は信用してない節がありました)
ただ、本人が自称しているだけです。
では、ルパンとは一体何者なのでしょう?
ルパンは何処から来たのでしょう?


重要なのはルパンとしてのルパンです。
ルパンが世間に登場してから40年ほど経ちましたが
その間、素顔や地声で出てきた事は無いんです。
つまりホントの顔やホントの声は誰も知らないんです。
その事実は今まで真実として
取り上げられた事はあまりないんです。
漫画 新ルパン三世に於いてメロン奇一が
ルパンの素顔の撮影を試みるも失敗に終わってます。
銭形警部は勿論、次元や五ェ門、不二子ですら素顔を知りません。
もしかしたらルパン自身も知らないのかもです。

で、ルパンは何処から来たのか。
現在、我々は知りうる事が出来ません。
サミュエル・ベケットの戯曲を引用するまでもなく、
我々は
「アルセーヌ・ルパンの孫」
と自称する陽気な一人の男を待ち続けました。
只、ウラディミールとエストラゴンは
結局二日間待っただけで幕になりましたが、
我々はその意味では40年間待っている事になります。
いくら待ち続けていてもルパンは本来の姿では現れないでしょう。
これまでも、そしてこれからも。
ルパンはルパンで在る為に我々を欺き続けます。
そして、それこそが、
その行為こそがルパンたる証なのかもしれません。

長々と自分なりのルパン像について書き散らしましたが、
実は原作者のこんな文があって、
それこそが正当なルパン三世なのでは、と思い知らされました。
モンキー・パンチ曰く
『最初の計画ではあまりの怪盗ぶり故、
愛称として世間で
「ルパン三世」と呼ばれているという設定だったが、
担当編集者から「そんな面倒くさい設定にするな」と言われ、
わかりやすくアルセーヌ・ルパンの孫という設定になった』
だそうです。
愛称としてのルパン三世。
まさに今作品に出てきたルパン達の事ではないでしょうか?
自分的には「カリオストロの城」を超える作品では無かったのですが、
40周年を飾るには相応しい作品だと思います(o^-')b






Posted by giraffa  at 01:41 │Comments(0)ルパン三世

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